唐草蒔絵払子
全長四二・五センチ中国渡来の白熊の毛をたばね、柄をつけた払子。払子は元来インドでは虫を払うものだが、禅家では威儀の具。黒漆の柄に金蒔絵で二本の唐草が相対して描かれ、先端の方に蓮弁を彫り、毛をたぱねた根元は和紙をまき黒漆の上に金箔を散らし、柄尻に菊花形の象牙をはめである。寺では開山所持と伝えるが技法から室町中期の作か、全体にほっそりとした、ひかえめな装飾はいかにも尼僧の持物にふさわしい。